長年銀行員をしておりますと、システムトラブルは数回経験いたします。
そのたびに支店の最前線でお客様対応をしていましたが、毎度思うことがありましたので少々つぶやくとします。
現場ができること
システムダウンの際のルール、対処方法は会社からの指示待ちです。当然自己判断はできません。
実務的なところで申せば、その場ですぐに必要な手続きでない場合は、預かり証を発行して、全ての手続きを預かることはできます。しかし”現金が必要”などの場合にはどうにもなりません。
したがって私は状況をご説明し、ひたすら謝ることしかできないのです。
要するに、現場はなすすべなし。本部からの連絡も解決の糸口が見えるまでは連絡がこないので、現場は状況を良く把握できていません。
お客様もわかっている
この状況で強く意見を仰るお客様は、実は現場がどうにもできないことを知っています。なんとかしろ!と仰いますが、できないことをご存じです。
それなのに強く仰るのは、”お客様が本当に困っているからなのです”
お客様は他の銀行にいかなきゃいけない。取引先に謝らないといけない。再度出向いてこなければいけない。
お客様の事情は様々で、お子様を預けて銀行の用事をするかもしれない。介護中かもしれない。仕事が忙しい中来ている。など、お客様の時間を倍ムダにしているのです。
本当に心からの謝罪をしなければいけません。
年収2000万円くらいの方であれば、1時間のロスで8万円以上の計算です。
お客様は心からの謝罪であれば、受け入れてくださることがほとんどです。しかしお客様のお怒りが収まらないことがしばしばあります。
お客様の気持を受け取る人がいない
私は店頭の相談ブースにおりまして、パネルがありましたから、ロビー全体は見えないのですが、大きな声は聞こえてきます。
トラブルの時にいつも最前線で謝っているのは、”ロビースタッフ”の方と”警備員”です。
そのような時私は課長に「ロビーのお客様対応は、ロビースタッフさんで大丈夫でしょうか?」と尋ねることにしていました。心の中では「課長行ったらどうですか?」という気持ちだったのですけどね。
全ての課長が同じように「私が行っても何もかわらない」と回答しましたね。まるでプログラムされたロボットのように。
支店長、副支店長、課長、誰も出てきません。
私の記憶では、22年間の金融機関人生でそのような時、頼りになった上司はたった一人でした・・・。
非常事態でわかること
働く仲間たちの ひととなりが分かること。
通常時にいくら良い人に見えても、非常事態でお客様や現場職員を守る上司はほとんどいません。きっとどこかの国の大統領のように、自分がいの一番に逃げてしまうでしょうね・・・。
銀行のシステムトラブルで思うことは、
〇〇銀行というブラントの空箱を同じ顔の経営側の人間が担いでいる。カラです~と申し上げても聞く耳なし。
お客様の信頼と同時に現場職員の心も離れています。