言葉がつくる、組織の空気

最近、ちょっと引っかかった言葉があります。
「戦略」「戦術」「作戦」「指揮系統」。

ビジネス用語として当たり前のように使われているし、
私自身も、気づけば普通に使ってきました。

でも、ふと立ち止まって思ったんです。
**これって、今の時代の働き方や組織のあり方に、本当に合っているんだろうか?**と。

これらはもともと軍事用語です。
上下関係がはっきりしていて、
誰かが決め、誰かが従い、
勝つか負けるかが明確な世界。

もちろん、整理された思考や迅速な意思決定が求められる場面では、
この言葉たちが役に立ってきたのも事実です。

でも今の職場はどうでしょう。

多様な立場の人がいて、
正解が一つとは限らず、
対話しながら試し、修正しながら進んでいく。

そんな場所で、
「戦う」「指揮する」「作戦を実行する」という言葉を使い続けることで、
無意識のうちに
・上下
・強さ
・従う/従わせる
という価値観を再生産していないだろうか、と思うのです。

特に私が関わっている金融機関が向き合っているのは
敵でも、数字でもなく、
**日々を生きている“お客さま”**です。

とくに、地元に根ざした組織であればなおさら。
一度きりの勝ち負けではなく、
顔の見える関係の中で、
これからも一緒に生き続けていく人たち

そう思うと、
「作戦」などといった言葉がつくる空気が、
どこか合わないと感じるのは、自然なことだと思うのです。

言葉は思考の枠をつくります。
使い続ける言葉が、組織の空気をつくる。

だったら、

  • 「戦略」ではなく「私たちの意図」
  • 「作戦」ではなく「今回の取り組み」
  • 「指揮系統」ではなく「役割と合意の流れ」

そんな言葉に置き換えてみてもいいんじゃないか、と思うのです。


人をコントロールする組織から、人が考え続ける組織へ移るための言語の更新

私は、そう感じています。

組織の空気は変えられなくても、私一人の呼吸を楽にする。そんな言葉は選べるかもね。

投稿者 yuki

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