2020年8月5日に公表された、金融審議会 市場ワーキング・グループの報告書において金融商品販売時には「重要情報シート」が積極的に用いられることが好ましいとされました。
その理由は「金融商品購入時の説明不足」が問題視されているからです。

私はこの議論がなされていることに違和感を覚えております。言ってみれば付け焼刃。
よくない販売がされる理由を根本から改善しようという行為ではなく、販売する金融機関へ全ての責任を押し付けているように感じるのです。


金融庁も、運用会社も、金融機関の頭取も、理事長も「自分たちはきちんと監督している。方針を打ち出している、説明している。」とお思いでしょうか?
ではお客様への説明不足、理解不足の責任の所在はどこに?


「販売現場職員の不具合」ということにすれば都合が良いでしょう。

私はこれを責任転嫁ととらえています。
なぜなら、理由は以下に述べます。

現在、お客様へ説明不足、理解不足が発生してしまう本当の理由は以下です。

×複雑すぎる金融商品→「運用会社本位・保険会社」
×多すぎる金融商品→「運用会社・保険会社・販売会社本位」
×償還期限の短い金融商品→「運用会社本位・販売会社本位」
×ファンドラップの不透明さ→「販売会社本位」
×複雑すぎるNISA、iDeCo→「金融庁・厚生労働省本位」
×お客様目線でない研修→「販売会社本位」

上記全部逆にすれば問題解決にかなり近づくでしょう。
〇単純明快な商品
〇厳選された商品
〇償還期限の長い商品
〇ファンドラップの透明性
〇わかりやすい、利用しやすいNISA・iDeCo
〇お客様本位の研修

上記改善は現場職員では到底できるものではございません。
国や官僚が本気で日本国民の資産形成を促したいのであれば、また、本気で金融機関の説明不足をなくしたいのであれば
「重要情報シート」を考案する前に、資産形成の枠組みをしっかり作っていただきたい。
このような責任逃れの連鎖の行きつく先は、金融機関の営業職員であり、その先の国民全員へ押し付けられることとなるのです。

市場ワーキング・グループの資料はコチラ

重要情報シートの位置付け確認図はコチラ

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投稿者 yuki

「金融商品販売「重要情報シート」を検討するその前に」に2件のコメントがあります
  1. 複雑て素人は、わからないからゆきさんの仕事になったりして!
    頼りにしてます。
    今後もよろしくです!

    1. コメントありがとうございます(o^―^o)
      私たち生活者は知らず知らずのうちに決められた枠組みに組み込まれていきます。
      枠組みは変えられなくても、それをどのように運用、利用していくか、真剣に考えていきたいと思います。
      今後も応援よろしくお願いいたします_(._.)_

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